進撃の巨人→東京喰種→亜人て流行った理由
亜人12話、完全に佐藤さんがダークヒーローだった。
飛行機テロの場面がビル倒壊テロに変わってるのは、やっぱり海外需要対策なのかな?アメリカとかで飛行機テロのアニメなんて売れなそうだし。
ところでタイトルの話だけど、亜人のヒットって進撃の巨人→東京喰種の流れを継いでると思うんだよね。 まず簡単にそれぞれのストーリー(ネタバレます!)
- 進撃の巨人
人間の変化した存在である巨人と戦う中で、巨人も故郷?を求めて戦っていることが分かり、何故・何のために戦うのかが謎を呼ぶ話。 - 東京喰種
人の姿をして人を食べる喰種の中にも、人間と共存できると考える集団はいて、共存すべきか戦うべきか何が正義かを登場人物が葛藤する話。 - 亜人
人類から変化してしまった亜人が、人間に追われる中で自分の居場所を失って、人類とどう関わればいいかを模索する話。
ポイントとして共通してるのは、
- 物語の中で現れる「人間」は「今の社会」を表現してる。
自分達の生活圏を守る社会、人間を食べる喰種を撲滅する社会、死なない人間で人体実験する社会。 - 「人間の敵の立場」が主人公の意見に近い、つまり「読者の共感する考え」に近い。
主人公と同期だった敵、喰種側と人間側を往復する主人公、亜人として生き方を模索する主人公。 - ただし、あくまで人間の敵は人間と同じ存在ではないから「人間の敵の立場」は「読者の立場」ではない。
- 「人間の敵の立場」で「人間」に問題提起している。
今の王政は正しいのか?人間と喰種は共存できないのか?亜人は人間の敵なのか?
ちょっとポイントをまとめてみると、
①人間=今の社会、②人間の敵の立場=読者の共感する考え、③人間の敵の立場≠読者の立場、→④ 「人間の敵の立場」で「人間」に問題提起している=読者の共感する考えで今の社会に問題提起している。→④≒⑤現状はおかしいと思う(読者は社会への問題提起に共感)。けど自分がどうこうする話ではない(読者は立場が違うため)
つまり全部「現状って確かにおかしいとこあるよな。まぁオレ自身が関わってどうこうする話じゃないけど。」っていうニュアンスで読める漫画、って訳です。
このニュアンス便利で、例えば会社の体制がなんだか気に入らない、と思っても「今の体制はおかしい!」とかいきなり声上げず、「あいつ、会社の体制に文句言ったらしいぜ。言う事聞いときゃいいのになぁ」みたいなこのニュアンスに落ち着く。「イジめられてて辛い‥。でも自分には何もできない‥」とかも実は同じ。現状おかしいけど、自分は何もできない、しない時に使うニュアンス。
実際に人を喰う巨人のいる世界だって、想像すれば「巨人も戦ってる理由があるらしいぜ。でもまぁオレらを襲ってくるんだから関係ないな。」ってなる。
でも、 進撃の巨人は「巨人にも戦う理由があるらしい。今の社会は確かにおかしい。原因を究明しよう!」と立ち上がってくれる。
そう、彼らが戦いを挑むのは人間社会なんです。彼らの挑戦は「会社の体制は確かにおかしい!どうすればいいか考えよう!」「イジめられてるのは嫌だ!現状を変えよう!」ってボクたちが立ち上がるのと同じ文脈なんです。
でも、巨人の正体が何でも、喰種が撲滅されても、亜人が人体実験されても、当たり前だけど非現実的な話でボクたちの実生活には何も関係ない。「自分が関わる話じゃない」てニュアンスで読んでいられる。
つまりこれらの漫画を通じて、読者は自分が心の底に潜めている社会への不満を、変に刺激する無く、静かに発散させられる訳です。
だから特に日常生活に相応の文句があるけど面倒で声にできない人に非常に好まれてヒットした、と思う。
ちなみにボクは進撃の巨人も東京喰種も亜人も大好きです。とりあえずヤンジャンは捕まってるエトがどうなるか気になってる。
《広告》