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20代中盤でふんばるブログ

銀行員→外資コンサル。旅行が好きです。

『投資家が「お金」よりも大切にしていること』著:藤野英人 を読んで。20150525

日本人の現預金比率55%、アメリカは15%、欧州はだいたい平均30%くらい。


この事から言える事実はなんでしょう?という質問に「日本人はお金が大好きだ」と答えるのがこの本。

 

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

 

 

 

 

面白い例が、アメリカの成人一人あたりの寄付金平均17万円に対して、日本はなんと2500円。実に1/4。

これしかもアメリカの一部の金持ちが寄付している、とかではなく、アメリカの年収230万円以下の人が年収の4%以上を寄付するのに対し、日本で年収690万円以上の人は年収の3%以下しか寄付していないそう(NYタイムス2013年)。

 

別に寄付が偉いとは思いませんが、日本人は根本的にお金が減るのが嫌い、という国民性を持っていることに間違いはないでしょう。

筆者はこの原因を「日本人は人を信じられない」「だからお金ばかり信じて溜め込む」としています。確かに、投資って根本は「相手を信じる」「託す」ことですもんね。「オレが責任を持つからお前やってみろ!」みたいな「託す」文化は、半沢直樹(上司の失敗は部下の責任うんたら)を見ている限りなかなか日本の主流では無さそうです。

 

ちなみに、「信じる」「託す」というところで言えば、「投資信託」の回転率(買い替えスパン)って日本人は平均2.4年なのですが、これは世界でもっとも回転率が短いそうです。世界的な普通は10年スパン。

「金預けたのに減った!もうダメだ信じられない他に変える!」となるスピードがとても早いようです。まぁ、この危機管理能力やある種の几帳面さが日本人の強みであるような気もしますが。

 


もう一つ、 面白いお話で言えば、「あなたの会社は新しい事業やビジネスを始めるのは立派なことと認められているか?」という質問に対し、アメリカでは91%、欧州でもほぼ70%以上がYES、と答えたのに対し、日本でのYESはたったの8%だったとのこと。

 

よって、日本人はいざ「投資」となっても、なかなか新しいものには踏み出しません。日本の投信が「トピックス型」だらけの理由もここにあります。

「トピックス型」とは有名な大企業の株価を中心に作られる指数の事ですが、日本の有名な投信も、結局はサラリーマンによって運営されているので、そうすると、「新しくない」「今まで通り」の運用が一番良しとされるんですね。
なので、なかなか尖ったファンドを作れず、よく見る「日系連動」とか「上場企業の〜」とか間違いのなさそうなものばかりになります。

「投資を広げよう!」と言ってる本人達がなかなか投資家マインドを持てていないのが日本の現状のようです。

 

 

では最後に、そんな有名な大企業の株価がここ数年でどうなったかを書いて終いにします。
失われた10年、と言われる中で2002年から2012年にかけてトピックスの特に中心と言われるトピックスCORE30(JTや三菱、ソニーなどが名前を連ねる)の株価指数は24%下落しています。

 

一方、実は東証2部の株価はこの間67%のプラスです。また、東証1部の中でも、実は66%の会社の株価は上昇しています。

TOPIXコア30の時価総額が大きいためTOPIX全体は2%のプラスにとどまるのですが、つまりは「大きな安心できそうな会社の株ばかり持っていると、ゆっくりとお金が減ってきていた」そんな時代です。

 

根本的に「投資」は人を信じて、託すところから始まります。
お金が減るのは嫌ですが、お金を増やす、減らすだけではなく、自分が好きなものや、応援したい何かを探したり、これからの社会がどうなるかちょっと時分ごととして考えてみるために、貯蓄から投資へお金を少し振り分けてみてもいいのではないでしょうか。

 

以上、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』読んだ感想でした。