失敗したとき「お金が無くて」はだいたいの原因にできる。
ナポレオンの敗北は必然だった、って言われてピンとくるだろうか。
「ロシアまでの遠征による冬将軍」
「戦争の長期化による国力不足」
「ナポレオンの高慢な態度によるモチベーション低下」
負けた理由を考えればいろいろあるけど、
「金融の中心地オランダへの統治失敗によって、金融システムがロンドンに移ってしまい、財源不足に陥った」
って意見は新しい視点かつ一番納得がいった。
だって、ロシアへの補給も、兵器の開発も、周囲のモチベーションも、
金がありゃ何とかなるわけじゃん。
金がないから、何もできなかった、ってことでしょ。
まぁもともとナポレオンは軍事の人間だから、統治をするに至って財政面は弱かった、てのはナポレオンも人間なんだと安心するエピソードだけど
アムステルダムっていう当時の金融の中心地を手に入れて、その金融システムを活用できなかった、ていうのは後付けになるけどやっぱり焦ったのかな。支配される側の人をいかにモチベートするかってのは、また別の大きな議論だからここではおいておくけど。
ナポレオンが財源不足になっても、フランスはルイ16世までの時代でデフォルトを繰り返していたせいで融資も受けられず、
占領地からの賠償金や、アメリカへの領地売却で不足資金を補おうとしても到底金額は足りず、
その一方でイギリスはというと中央銀行を整備して国債による資金調達手段も整備し、産業革命も起こしてお金が集まり始めていたことを考えればフランスは経済的には為すすべがなかったね。
当時のフランスが徴兵制を本格採用していたおかげで、本当に困ることになるまでナポレオンは軍事費を気にしなくても軍隊が作れた、てこともツケになったのかな。
この話は問題の原因を「お金のせいでダメでした」っていえる一つ例としてわかりやすい。お金があればなんとかなることはあるし、失敗の原因を「お金がなかった」ていうことはすごく簡単。
拝金主義者であるつもりはないんだけど、すべての事象において「お金はどうなっているか」の視点は持ち続けておいて損はない。
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